こんな疑問に答えます。
人間の食べ物の中には犬に食べさせて良いものとそうでないものがあります。
この記事の前半では犬に食べさせて良いものとそれを食べさせる際の注意点、後半では犬が食べちゃダメなものを解説。
気をつけないと犬の健康を害することになるので要注意です。
犬に食べさせて良いものと食べちゃダメなもの【人間の食べ物には要注意】
犬に食べさせて良いものと食べちゃダメなものを紹介します。
ドッグフード
魚
梅
煮干し
たけのこ
こんにゃく
豆腐・おから
ミルク(牛乳)
これらの食べ物は犬に与えても問題ありませんが、いくつか条件があります。詳しくは後述しますが、気をつけないと逆に犬の健康を害することになるので注意が必要。
ぶどう
ナッツ
鶏の骨
アボカド
タマネギ
ハチミツ
ほうれんそう
チョコレート
エビ、カニなどの甲殻類
これらの食べ物は、あきらかに犬の健康を害するもの、あるいはその可能性が高いものです。少量でも危険な場合があるので、犬に盗み食いされないような場所に保管しましょう。
犬に食べさせて良いもの
犬に食べさせて良いものを紹介します。食べさせて良いといっても、いくつか注意点もあるので与える際には気をつけてくださいね。
ドッグフード
犬の食事はドッグフードを中心とするのが一番良いです。とはいえ、中には低質で粗悪なフードも一部あるので、そこだけは注意が必要。
ドッグフードの選び方については次の記事を参考にしていただけると、安全なものを選ぶことができますよ。
また、いくら高品質なドッグフードといえども与えすぎはNGです。犬の体重を管理しつつ、パッケージに記載されている容量をしっかりと守りましょう。
魚
魚は犬にとって毒になるような成分を基本的に含みません。犬にアレルギーがなければ、スーパーなどで売っている新鮮な刺身を与えても大丈夫です。
ただし、マグロやカツオなどの赤身魚はあまりおすすめしません。赤身魚はヒスチジンという物質を比較的多く含んでおり、これがアレルギーの原因となるためです。
犬に与えるのであれば、新鮮な白身魚にしましょう。
梅
梅そのものは犬のからだによいと言われており、犬用のサプリメントにも使用されているほどです。
ただし、種を丸飲みしてのどに詰まらせると危険なので、犬に梅を与えるときは種を取り除いてからあげましょう。
また、人間が好んで食べるような塩漬けの梅干はNGです。犬にとっては塩分が多すぎるため、体調不良の原因となります。
煮干し
高品質のものを少量与える分には問題ありません。小骨にはカルシウムが豊富に含まれており、噛みごたえがあるので歯も丈夫になります。
ただし、小骨がのどに刺さると取り除くのが大変なので、犬が丸飲みしても問題ないくらいのサイズまで細かくしてあげるとよいです。
尿結石症の犬に与えると、症状を悪化させるおそれがあるので、与えない方が無難です。
たけのこ
犬のからだへの悪影響はありませんが、特にあげる理由もない食べ物。
それほど栄養があるわけでもなく、その割には消化しにくいため犬のからだに負担となります。食べさせるのであれば、細かく刻む必要があり手間もかかります。
もし犬に与える際は、高品質の国産たけのこを選びましょう。
こんにゃく
ダイエット目的で使われる食べ物です。こんにゃく自体はノンカロリーなので、フードと混ぜてかさ増しすると摂取カロリーを抑えることも可能です。
ただし、こんにゃくは消化できないため、1~2ミリのみじん切りにする必要があります。こんにゃくの塊が大きすぎると、消化されず胃もたれの原因となります。
適正体重の犬にはあげる必要はありません。
豆腐・おから
豆腐やおからは、ドッグフードにもしばしば配合される食材で、犬が食べても特に問題ありません。
ただし、一つだけ注意点も。豆腐やおからは人間にとってヘルシーな食べ物ですが、犬にとってはそうでもありません。むしろ毎日食べてしまうと太りやすいという報告もあるくらいなので、特に事情がない限りは食べさせる必要もないでしょう。
少量のミルク
少量のミルク(牛乳)であれば問題ないですが、あまりがぶがぶと飲ませると下痢を引き起こします。これは、犬が乳糖(ラクトース)分解酵素を持たないため。特に下痢しやすい子には飲ませない方が安心です。
犬にミルクを飲ませたい時は、犬専用のものが売っているので、それを飲ませてあげましょう。
犬が食べちゃダメなもの
ここから紹介するのは、犬が食べちゃダメな食べ物。少量でも犬の健康を害する恐れがあるので与えないようにしましょう。
ぶどう
犬に急性腎不全を引き起こす原因となる食べ物です。
犬の体重1kgあたり10~30gのぶどうを食べると中毒症状がみられ、最悪の場合は死に至ります。少量であれば問題ないのですが、個体差もあり一概に安全とは言えません。
なるべく犬の目に入らないところで保管しておきましょう。
ナッツ類
ナッツ類は犬に与えるとデメリットしかありません。
長時間保存されていたナッツ類はカビの温床となり、アフラトキシンという毒性物質を産生します。アフラトキシンは人間にとって発がん物質となりますが、これは犬でも同じ。さらに犬の場合、からだが小さいので少量でも致死量になる恐れがあります。
海外から輸入されたナッツ類の場合は、その輸送段階ですでにカビが発生していることも少なくありません。
たとえカビがなかったとしても、ナッツ類は消化しにくいため、犬の胃腸に負担がかかります。
鶏の骨
犬が鶏の骨を食べると、割れた破片がのどや胃腸に刺さる恐れがあります。
こうなるとほとんどの場合、全身麻酔で開腹手術あるいは内視鏡を使って取り除かなければなりません。全身麻酔での手術は100%元気になって帰ってくるという保証はどこにもありません。できるならば避けたいところ。
このような理由から、鶏の骨も犬が食べちゃダメな食べ物と言えるでしょう。
アボカド
人間の食べ物として需要が高まりつつあるアボカドですが、犬にとっては非常に危険な食べ物。アボカドには犬に中毒症状を引き起こす成分が含まれているため、少量でも与えない方がよいです。
ドッグフードの中には原材料の欄にアボカドと書いてあるものもありますが、こちらは中毒物質を取り除いた状態で配合されているため、問題ありません。
タマネギ
犬がタマネギを食べると、血液中の赤血球が破壊されて、急性の貧血を引き起こします。
赤血球が足りなくなると全身に酸素を運ぶことができなくなるため、体調不良、場合によっては死に至ることもあります。
ハチミツ
ボツリヌス毒素による中毒症状が懸念される食べ物。
犬が低血糖で倒れたときに応急処置としてハチミツを与えることもありますが、日常的に与えるのはリスクが高いです。また、犬が低血糖の場合でも、動物病院でブドウ糖液を補液してもらった方が安全。
どうしようもない緊急時以外は食べさせないようにしましょう。
ほうれんそう
ほうれんそうに含まれる「シュウ酸」という物質は犬の尿結石の原因となります。
結石ができておしっこが出なくなると、腹痛・元気消失などの症状がみられ、最悪の場合死に至ることも。犬にほうれんそうを与える際はゆでてシュウ酸を減らす必要があります。
また、犬は肉食動物寄りの消化管構造をしているため、繊維質の分解が苦手。ほうれんそうに限らず、繊維質の食べ物を与える際は、ピューレ状に潰してあげないと消化不良になる恐れがあります。
チョコレート
チョコレートにはテオブロミンという物質が含まれており、これが中毒の原因となります。
テオブロミン中毒になった犬は嘔吐、下痢、不整脈などの症状を示し、死亡することもあります。
犬によって中毒量は異なりますが、少量でも中毒となる危険があるので、与えないようにしましょう。
エビ、カニなどの甲殻類
甲殻類にはビタミンB1を分解する酵素が含まれます。これが原因となりビタミンB1欠乏症となるので与えない方が無難。
加熱調理することでビタミンB1分解酵素を失活させることはできますが、基本的には与えない方がよいです。
まとめ:犬が食べちゃダメなものは意外に多い
今回は犬に食べさせて良いものと、食べちゃダメなものを紹介しました。
ここで紹介した食べ物はほんの一部ですので、書いてないからといって食べさせていいというわけではありません。
高品質なドッグフードを中心とした食生活が一番安全で健康にもよいです。人間の食べ物はできるだけ与えないようにしましょう。