BCS(ボディコンディションスコア)とは【判定方法と活用の仕方を徹底解説】

こんにちは、KENTAROです。
今回は、「BCS(ボディコンディションスコア)の判定方法」というテーマでお話ししていきます。

BCSは、牛群の栄養状態を評価する際によく使われる手法です。

知っておいて損はないので、この機会にマスターしてしまいましょう。

BCS(ボディコンディションスコア)とは

Body Condition Scoreとは、牛(群)のエネルギー状態を評価する手法です。

簡単にいうと、牛を「太り具合(肥満度)」を数値であらわしたものになります。

乳牛の場合は1~5の数値で評価され、1に近づくほど「痩せている」、5に近づくほど「太っている」と評価されます。

BCSの歴史

ボディコンディションスコアという概念は、1970年代にアメリカで確立されました。

Wildmanの方法(1982)、Fergusonの方法(1994)なんかが有名ですね。

誰がみても同じ結果になる判定基準を目指して定められた手法です。

現在は、FergusonのUV法がもっとも一般的に使われています。

BCS(ボディコンディションスコア)の判定方法

ここからは牛のBCS判定について解説していきます。

5つの判定基準と4つの評価ポイントを覚えておけば、誰でも簡単に牛群評価できるるので、ぜひ参考にしてみてください。

判定基準

ボディコンディションスコアの判定基準は次の通り。

BCS 牛の状態
1 重度の削痩
2 削痩
3 普通
4 やや太っている
5 太りすぎ

この5段階をベースにして、0.25刻みの数値で判定します。

基本的に乳期や被毛の状態などは考慮しませんが、牛群評価のヒントになるため注目はしておくべきだと思います。

評価の仕方

ボディコンディションスコアの評価方法は次の4ステップです。

  1. 腰部
  2. 腰角と坐骨
  3. 腰椎横突起
  4. 仙坐靭帯と仙腸靭帯

それぞれの見るべきポイントを解説していきます。

ステップ①:腰部

まずはじめに牛を起立させ、斜め後ろ45度の位置から腰部を観察します。

腰角〜大腿骨頭〜坐骨を結ぶ仮想曲線を見極めましょう。

  • V字型ならBCS=3.00以下→腰角と坐骨の観察へ(ステップ②へ)
  • U字型ならBCS=3.25以上→仙坐靭帯と仙腸靭帯の観察へ(ステップ④へ)

腰部全体の形を把握したら、次のステップに進みます。

ステップ②:腰角と坐骨

腰角と坐骨は「丸い」か「角張っている」かで評価します。

太って脂肪が付着すると丸くなり、痩せて脂肪の付着がなくなると角張ってきます。

  • 共に丸い場合は、BCS=3.00
  • 一方は丸く、他方は角張っている場合、BCS=2.75
  • 共に角張っている場合は、BCS=2.50以下→腰椎横突起の観察へ(ステップ③へ)

牛が痩せている場合は、次のステップに進みます。

ステップ③:腰椎横突起

腰椎の横突起間溝に注目します。

横突起間溝は太っていると見えず、痩せるほどハッキリと見えてくる部分です。

横突起先端から腰椎中心までの長さに対する溝の割合を評価します。

  • 横突起が1/4見える場合は、BCS=2.50
  • 横突起が1/2~2/3見える場合は、BCS=2.25
  • 横突起が3/4以上見える場合は、BCS=2.00以下

脊椎の棘突起が鋸歯状に見える場合は痩せすぎ(BCS=1.50)と評価されます。

ステップ④:仙坐靭帯と仙腸靭帯

腰部の仮想曲線がU字型の場合は、仙坐靭帯と仙腸靭帯を観察します。

両靭帯は痩せるほどハッキリと見え、太るほど見えなくなっていきます。

  • 共に明瞭に見える場合、BCS=3.25
  • 一方は明瞭、他方はわずかに見える場合、BCS=3.50
  • 一方はわずかに見えるが、他方は見えない場合、BCS=3.75
  • 共に見えない場合、BCS=4.00以上→腰椎横突起先端の観察へ

BCS=4.00以上と評価した場合は、腰椎横突起の先端を観察します。

  • 横突起先端が見える場合、BCS=4.00
  • 横突起先端が見えない場合、BCS=4.25以上

以上がボディコンディションスコアの評価方法となります。

BCS(ボディコンディションスコア)の活用方法

記事の冒頭で、「BCSは牛群の栄養状態を評価する際によく使われる手法」だと述べました。実際の現場でも、周産期病や繁殖障害の改善を目的に活用されています。

先ほどお話しした4ステップに従って牛の外貌を数値化することで、その個体が太っているのか痩せているのか、誰でも簡単に評価することができます。

しかし、目の前の牛が太っているか痩せているかというのは、牛群を評価するうえで重要ではありません。

ボディコンディションスコアを有効活用するためには、時間軸に沿って太っていくか痩せていくかを見極めることが大切です。

牛群で何が起きているかを考えたい場合は、乾乳や分娩を基点として経時変化が一目でわかるグラフを作成してみましょう。

牛群全体を評価してグラフに描くことで、その後の診療に活用することができます。

まとめ:BCSで牛群を評価してみよう

では、ここまでの内容をまとめます。

  • BCSとは、牛の太り具合を数値であらわしたもの。
  • 評価の際に見るべき部位は、「腰部・腰角と坐骨・腰椎横突起・仙坐靭帯と仙腸靭帯」の4つ。
  • 経時変化がわかるグラフを作ると、牛群で何が起こっているのか見えてくる。

こんな感じですね。

今回紹介した内容さえ覚えておけば、BCSの評価で困ることはまずありえないでしょう。

診療にも活用できる有効な手法なので、しっかり復習してくださいね。

それでは、また。